個人再生を利用するメリット
任意整理、特定調停、自己破産と比較して、個人再生を利用するメリットは、何でしょうか?
個人再生のメリット
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元本を大幅カットし原則3年の分割払いで返済します。
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住宅を残すことができます。
これが、個人再生を利用する一番大きなメリットです。自己破産した場合、住宅があっても、競売にかけられて、換金されてしまいます。換金されたお金は、債権者によっては分けられてしまう為、不動産もお金も手元に残すことはできません。
しかし、個人再生の場合には、一定の要件を満たせば、住宅を手元に残すことができます。住宅ローンは、元本はカットされませんが、支払い期限を猶予してもらうことが可能です(最長10年、70歳まで)。
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自己破産のような職業制限がない。
自己破産をした場合、弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、不動産鑑定士、宅建主任者、警備員、株式会社の取締役等になれません(ただし、免責決定を受ければ、この制限はなくなります)。個人再生は、このような仕事の制限が一切ありません。
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免責不許可事由に該当しても可。
自己破産の場合、「浪費やバクチによって、莫大な借金を抱えたとき」などの免責不許可事由に該当すると、免責を受けられません。免責を受けられなければ、借金は無くなりませんので、債務整理をかけた目的が達成できない事になります(その後、任意整理などをかけることは可能ですが・・・)。もし、免責不許可事由に該当する恐れがあるなら、個人再生を利用するのも、1つの方法です。
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債権者全員の同意が必要ない。
任意整理や特定調停は、債権者との合意を目指すものですから、債権者の全員と合意できないと、せっかく債務整理をかけても、その後、破綻する恐れがあります。
しかし、個人再生は、
- 給与所得者等再生:
債権者の同意は、全く不要。 - 小規模個人再生:
債権者の消極的同意(債権者の総数の半数未満で、かつ、総債権額の1/2以下の者が、反対しないとき)があればよい。
となっており、債権者全員の合意がなくても、強制的に債権者に再建計画を認めさせることができます。
- 給与所得者等再生:
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引き直し計算により、元本カットが可能。
任意整理・特定調停においては、出資法と利息制限法の差額に関する引き直し計算により、残元本が残った場合、一括返済の場合には元本カットは認められていますが、分割払いの場合には、通常、元本カットは認められていません。
しかし、個人再生では、元本の一部カットの再生計画が認められれば、元本の一部カットが可能です。
個人再生の種類
個人再生には、次の2つの種類があります。
| 種類 | 詳細 |
|---|---|
| 給与所得者等再生 | 給与所得者等再生 サラリーマン、公務員など、安定した収入のある者が利用できます。※1 |
| 小規模個人再生 | 自営業者、アルバイトなど、不安定な収入の方が利用できます。※2 |
※1:契約社員・派遣社員・パート・アルバイトなどでも、収入の変動が少なく、安定収入を得ることができるなら、給与所得者等再生を利用することができます。
※2:無職の場合であっても、内定を受けていたり、就職の見込みがある場合であれば、小規模個人再生を利用できます。
「給与所得者等再生」と「小規模個人再生」の違い
| 要件 | 給与所得者等再生 | 小規模個人再生 |
|---|---|---|
1.個人であること | ○ | ○ |
2.定期的な収入があること | ○ | 最低3ヶ月1回以上支払える収入があること |
3.住宅ローンを除いた借金が3,000万円以下であること | ○ | ○ |
4.最低弁済基準を満たしていること※1 | ○ | ○※3 |
5.上記4の最低弁済基準を満たしているばかりでなく、可処分所得の24ヵ月分を超えていること※2 | ○ | × |
6.過去10年以内に、破産・免責決定を受けていないこと | ○ | × |
7.債権者の同意を得ること | × | △ 債権者の消極的同意(債権者の総数の半数未満で、かつ、総債権額の二分の一以下の者が反対しないとき)があればよい。 |
※1:最低弁済基準
次の最低弁済基準額を元に決定した再生計画に基づく返済を、3年以内(特別な事情があれば5年)に弁済していく必要があります。
| 住宅ローンを除いた債務額 | 最低弁済額 |
|---|---|
| 100万円以下 | 全額 |
| 100万円超〜500万円以下 | 100万円 |
| 500万円超〜1,500万円以下 | 債務額の2割 |
| 1,500万円超〜3,000万円以下 | 300万円 |
例えば、小規模個人再生において、住宅ローンを除いた債務額が420万円であった場合、最低弁済額は100万円となります。これを3年で返していくことになります(単純に、36ヵ月で割った場合、月27,777円)。これプラス住宅ローンが、月々の借金返済額になります。
※2:「給与所得者等再生」においては、「最低弁済基準」と「可処分所得の24ヵ月分」を比較して、どちらか大きい額を、返済していく必要があります。可処分所得とは、収入から最低限の生活費等を引いた額です。 例えば、住宅ローンを除いた債務額が500万円、月々の可処分所得が8万円の人が、給与所得者等再生を利用する場合、500万円の最低弁済額である100万円と、8万円の24ヵ月分である192万円を比較し、大きいほう(この場合、192万円)が、返済額となります。192万円を3年で返していきますと、月々53,333円となります(これ以外に、別途住宅ローンを支払っていくことになります)。
※3:最低弁済額は、自己破産した場合に債権者に配当される額を超えなければなりません。
「給与所得者等再生」と「小規模個人再生」のどちらを選択?
そもそも、自営業者、アルバイトなど、不安定な収入の方は、「給与所得者等再生」は選択できず「小規模個人再生」しか選択できません。しかし、サラリーマン、公務員など、安定した収入のある者は、「給与所得者等再生」ばかりでなく「小規模個人再生」も選択することができます。では、この場合「給与所得者等再生」のどちらを選択したほうがよいのでしょうか?
「給与所得者等再生」の一番のメリットは、なんと言っても、債権者の同意が必要ないことです。それに対して「小規模個人再生」は、債権者の消極的同意(債権者の総数の半数未満で、かつ、総債権額の二分の一以下の者が、反対しないとき)が必要となりますので、もし、債権者の同意がなかなか得られなさそうな場合には、「給与所得者等再生」を選択するというのも合理的です。
「小規模個人再生」のメリットは、まず「給与所得者等再生」を選択した場合よりも一般的に、総返済額が安く済むという点です。「給与所得者等再生」には、「最低弁済基準」を満たすだけでなく、「可処分所得の24ヵ月分」という基準もあります。この<可処分所得の24ヵ月分>は、通常、「最低弁済基準」よりも高くなりますので、返済額が大きくなってしまうのです。
また、「給与所得者等再生」は、過去10年以内に、破産・免責決定を受けていると、適用を受けることができません。「小規模個人再生」には、そのような制限はありませんので過去10年以内に、破産・免責決定を受けているなら「小規模個人再生」を利用することになります。
しかし、一番のネックは、債権者の同意です。「給与所得者等再生」と違い、債権者の消極的同意(債権者の総数の半数未満で、かつ、総債権額の二分の一以下の者が、反対しないとき)が必要となってしまうのは、大きなデメリットでしょう。いずれにしても、双方のメリット・デメリットを良く吟味し、最善の策を選択するようにしてください。
